2024年2月10日土曜日

高すぎる自己評価

筆者のゼミでは経営学を学んでいます。しかし、経営学には少しも関心を示さず、英語学習に力を注いでいるゼミの男子学生がよくこう言いいます。「医学部にいる友達がこのように言っているのでそれにしたがいます」と。英語の習得にはshadowingが一番よいと言われ、それを一切否定せずに学習しています。 また、「尊敬する塾の先生はこう言います」と繰り返し聞かされました。

それでどの程度英語ができるのかというと、試しに手元にあるNHK世界放送の記事を読んで訳してもらいましたが、日本語に置き換えるのがやっとの水準でした。とても訳しているとはいえません。「shadowingだけやっても出来るようにはなりません」と何度か言っても、全然聞こうとしません。当然発音もまったく話にならない水準です。

彼のなかでは医学部の学生か学習塾の英語の先生が一番で、3流大学の教授では役不足と判断しているのでしょう。別に構いません。

この学生にはいろいろと邪魔をされました。やっと卒業してくれます。不思議なのは自己評価がきわめて高いことです。日本語が全然できないのに英語でトップを目指すと断言します。その話を延々と聞かされて来たのですが、筆者の英語動画をゼミ生限定で公開してから近づいてこなくなりました。良かったです。

医学部信仰は改める必要があります。そして、自己評価は低いくらいに抑えている方が好ましい結果に結びつきます。自信満々な人に実力者は存在しません。常に自己否定するくらいの謙虚さがないと勉強や仕事で成果を生むのは無理です。

最近は「自己肯定感」がひとつの流行り言葉になっており、努力しない学生に高望みする傾向がみられます。それでは仕事に就いても苦労するだけです。しかし、本人たちは聞く耳を持たず、そのまま卒業していきます。卒業後に気づいてくれれば、そこから本当の人生が始まります。気づかない人はそのまま終わってしまう可能性があります。会社勤めは厳しい世界です。

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