どんな分野であっても、職業としてその道をある程度歩めるようになるには最低20000時間の努力が必要ではないでしょうか。仮に1日5時間努力するとしたら、11年かかります。やや少なく感じられますが、これが最低限の分量であると思われます。
能力が高いとしたら、10000時間でも到達できるのかもしれません。能力は生まれつき決まっているので後から制御できません。どんなに節制した生活を送っても変わらない事実です。
しかし、自分の能力を知ったうえで努力するのが人生であると考えています。無理だからと諦めては何も残りませんし、無理に思えることに挑戦し続けると心が鍛えられます。
中学卒業までの勉強は何の努力もしなくても出来ます。義務教育でやさしいので当然です。高校からが本当の勉強ですが、不要な難しいことが山のように出てきます。そこで、授業以外に1日3時間勉強したとしても、3年間でたったの3300時間です。あまりに少ない時間であり、しかも5教科も学ぶのは無理があります。もし国語と英語だけに特化したとしても、職業に役立つ力はとても身に付きません。
それでも10代の3300時間は成人後の10000時間ほどの価値があります。実感ではもっと価値があるかもしれません。そうであるからこそ、運動の部活動で時間を浪費してはなりません。将来運動選手として職業につける人など10000人にひとりもいないからです。
高校生のころから職業選択をよく考える姿勢が大切です。そうすれば無駄にしてはならない時間が思った以上に少ないと実感できるはずです。何の努力もせずに手に入る楽しさ、快楽を徹底して遠ざけなければなりません。これからの時代は特にそうです。
ただし、10代で『修身録』を実践しなさいとはいいません。それは無理です。考え方に触れるだけで十分です。