このようなアウトプットの練習はあまりしてきませんでした。とにかく難しいです。基本的な英文も口から出てきません。たとえば、埼玉県で発生した道路の陥没事故の記事を読んでいて、次の部分を英語にしてみます。
「国内の水道管は各地で老朽化が進んでいる。しかし、自治体の財政難で交換が追い付かない状況である。このままでは道路の陥没に歯止めがかからない。人々が安心して暮らすには、地中に潜むあらゆるリスクを取り除くことが重要である」
難しい単語は一つも出てきません。「自治体」などはごく基本の、高校生でも知っている英単語です。しかし、即座に英文にするのはなかなか難しいです。時間がかかってしまいますし、たとたどしい英語となります。
やってみてわかったのは、自分の英語力の現状です。これくらいは楽に言えないととても経営学の学会で英語での報告はできません。また、中学英語の教科書を数百回音読してもこの記事程度のやさしい日本語でさえ、英語には転換できないはずです。使われている単語の水準が違います。
この訓練は精神的なダメージが大きいわけですが、実力を知るには最適です。ぜひ続けてみたいと思っています。音読やシャドーイングだけでは英語がすらすら口から出てくることはありません。それらは入門的な、やさしい訓練です。
先週の教授会で後輩の英語教員が言っていました。「私は留学の経験がない」と。それなのに英語を自在に使いこなしています。素晴らしいです。失礼ながら後輩の出身大学は準難関の私立大学で、筆者はその程度では良い大学と思っておりません。しかし、英語力に大学は無関係です。大した大学を出ていないのに、そして留学していないのにこの英語力とは驚きます。
後輩が言うには、英語で論文を執筆しないと意味がないそうです。ずばずば言うので敵も多くなる後輩です。人間的には嫌いですが、実力は高いです。しかし、英語学習の相談はとてもする気になりません。
実は先日、他大学の先輩教員から「英語で一緒に海外の学会(オンライン)で報告しませんか」と誘われました。非母語話者の報告ばかりで難しいこともないので、原稿を作って臨めば良いとのことでした。とはいえ、英国の超一流大学での報告で分不相応です。まだそんな場面に出られるほどの実力はありません。今回は丁重にお断りしました。
それにしても英語が出来る方はいくらでもいます。もういまの日本ではそれくらいは当たり前で、その先が問題になってきます。当たり前といえる水準の英語力に達していないのは残念です。発音だけ良くても駄目です。とはいえ、段々と自分の才能の無さがわかってきました。特に失望はしておらず、無理せず長く続けます。ここからが本当の勉強です。
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