2025年5月6日火曜日

今日も授業

世の中は連休最終日です。大学は今日も授業があります。今年度は多くの学生たちが帰省できず、特に新入生たちは疲れがたまってきている頃です。少し気の毒です。

大学の授業は学びの一つの場にすぎません。現代は無料でも相当な量の知識が得られるようになっていますから、学生は授業にとらわれる必要性は低いと思われます。それでも、デジタル化による弊害ははっきり出ています。画面をみてわかった気になるだけで自分で汗をかいて勉強する機会が減ります。試験で論文を書かせてみるとその弱さは明確です。以前の学生よりも全然書けなくなっています。レポートを課すと無難で表面的な内容に終始します。生成AIの回答を参考にしている可能性があります。間違ってはいませんが少しも面白くないレポートばかりです。

このような時代になると、効率が悪いといわれる古典的な学習にこだわっている人の強みが光ってきます。10年経過するとかなりの力になります。読売新聞社は教科書のデジタル化に強く反対する見解をもっており、スウェーデンの取り組みと併せて記事がよく載ります。スウェーデンではデジタル化が生徒の学力、集中力を大きく落としたとみなして紙の教科書に戻しています。

世の中の流れでは紙の教科書に黒板を使った授業は古臭くて役に立たないとの立場です。事実は異なり、そのような古い授業からこそ学ぶものがあります。日本人はそれを捨ててしまっています。現場でそのことが分かっている教員はごく少数です。生徒、学生はほぼわかりません。デジタル化の弊害はこの先10年で誰の目にも明らかになるはずです。

教育方法ではアクティブラーニングなど片仮名ばかりの遊びが広まっています。知識の蓄積のない生徒たちが議論しても何も生まれません。もうそのことに気づいても良さそうな気がしますが、筆者の大学でもアクティブラーニングを声高に主張する教員が目立ちます。決まってそのような教員は会議で和製英語、片仮名ばかりで強く説明しています。「それならばまともな英語で話してください」。いつかそう発言してしまいそうで怖いです。

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